
Aputure(アプチャー)の「Amaran 200x S」は、映像クリエイターの間で高く評価されているLEDライトです。
本来は動画撮影や配信スタジオ向けのライトですが、最近は「デスク環境で使う」人も増えています。
そこで今回は、Amaran 200x Sを実際にデスク環境で使用したレビューをお届けします。
結論から言えば、明るさ・色の正確さ・質感、すべてがデスクライトの域を超えているという印象でした。
Amaran 200x Sの基本スペックと特徴
まずは軽くスペックをおさらいします。
「S」シリーズは従来モデルからLEDチップが改良され、演色性がより自然になりました。
写真・動画撮影だけでなく、作業照明やオンライン会議、ストリーミング環境にも最適化されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出力 | 最大200W |
| 色温度 | 2700K〜6500K(バイカラー) |
| CRI / TLCI | 95+ / 98+ |
| 明るさ | 約45,000ルクス(1m距離でリフレクター使用時) |
| 冷却 | 静音ファン搭載 |
| マウント | Bowensマウント対応 |
| 重量 | 約1.4kg |
| アプリ操作 | Sidus Link対応(Bluetooth) |
デスク環境での設置と使用感

Amaran 200x Sを設置する際にまず感じるのは、そのサイズ感と存在感。
筐体自体はコンパクトですが、一般的なデスクライトと比べると完全に業務用機材レベルです。
私は「スーパーポール+ソフトボックス(Light Dome SE)」を組み合わせて設置しましたが、想像以上にしっかりした照明環境になります。
ただし、設置スペースはある程度必要。狭いデスクでは少し圧迫感があるかもしれません。
照射角は広めで、ソフトボックスをつけると光が非常に柔らかくなります。
モニターやキーボード全体を包み込むように照らしてくれるため、長時間作業しても目が疲れにくいです。
特に夜間の作業では、「昼間の自然光に近い質感」で作業できるのが印象的でした。
明るさは“オーバースペック”級
200Wクラスのライトをデスクで使うとどうなるか──答えは「明るすぎる」です。
本来は小規模スタジオやポートレート撮影で使われる出力なので、デスク用途では10〜20%程度の出力で十分すぎるほど。
それでも画面や顔の明るさは圧倒的に均一で、影も柔らかく、まるでテレビスタジオのような照明環境になります。
作業用ライトというより、“自分専用の撮影照明”として常設する贅沢といった感じです。
オンラインミーティングや配信時には肌のトーンが自然で、顔の立体感も美しく見えることでしょう。
照明だけでここまで印象が変わるのかと驚くレベルです。
静音性は十分だが、完全無音ではない
Amaran 200x Sは冷却用ファンを搭載しています。
静音設計とはいえ、完全な無音ではありません。
ライトを100%出力にすると「サーッ」という微かな風切り音が聞こえます。
ただし、20〜30%程度の出力ではほとんど無音。
マイクを近くに置かない限り、録音や配信にも支障はないレベルです。
PCのファンノイズよりも静かなので、一般的なデスク環境であれば気になることはないでしょう。
色温度調整が便利すぎる
Amaran 200x Sの大きな魅力は、2700K〜6500Kのバイカラー調整ができる点です。
デスクワークでは、昼間は白っぽい光(5000〜6000K)、夜は暖色系(3000K前後)といったように、時間帯に合わせて簡単に色温度を変えられます。
「Sidus Link」というアプリを使えば、ワンタップで微調整も可能。
これが想像以上に快適で、モードを切り替えるだけで部屋の雰囲気がガラッと変わります。
照明が“空間の主役”になるような体験です。
光の質が圧倒的にきれい
演色性(CRI/TLCI)が高いので、モニター上の色味や印刷物の色確認にも使えるレベルです。
安価なLEDライトのような青白さや不自然な色かぶりが一切なく、光が非常に“クリーン”で被写体の質感を忠実に再現してくれます。
特に驚いたのは、金属・木材・肌色などの質感がそのまま見えること。
作業机に置いたガジェット類がプロの撮影カットのように映り、SNS投稿用の写真撮影にも非常に便利です。
デスク用途でのデメリット・注意点
とはいえ、完璧ではありません。
デスク環境で使う場合のデメリットもいくつかあります。
- サイズが大きく設置に工夫が必要
Cスタンドやブームアームなどが必須。机の上に直置きはほぼ不可能。 - 発熱がある
高出力時には本体がやや熱くなります。狭い空間での長時間使用は注意。 - 電源アダプターが大きい
アダプターと太いケーブルは、かなり存在感がある。 - コスパをどう見るか
デスク照明としてはオーバースペックで、他のAmaranシリーズ(100x Sなど)でも十分なケースが多い。
特に「200x S」は性能的に余裕がある分、設置面での工夫が必要です。
ただ、それを補って余りある光の美しさと柔らかさが得られる点は、まさにプロ仕様の価値といえます。
Amaran 200x Sをデスクライトにする価値
一般的なデスクライトと比べると、Amaran 200x Sは確かに高価で大型です。
しかし、光の質にこだわる人にとっては唯一無二の選択肢です。
- デスク上で写真や映像を撮る
- YouTube配信をする
- Web会議で自然な映りを重視したい
- 美しい作業空間を作りたい
そんな人にとって、Amaran 200x Sは「単なる照明」ではなく、ワークスペース全体のクオリティを底上げするデバイスです。
私自身、設置してからというもの、夜にデスクに向かう時間が楽しみになりました。
部屋の印象は、まるでスタジオのよう。
少し大げさですが、「光をデザインする喜び」を感じられる製品です。
まとめ:Amaran 200x Sは“デスク照明の最終形”

Amaran 200x Sをデスク環境で使ってみた感想をまとめると──
- 明るさ・色の正確さ・質感、すべてがプロ仕様
- デスク用としてはオーバースペックだが、その分の余裕が心地いい
- 静音性も高く、アプリ操作で色温度の切り替えもスムーズ
- 設置スペースと配線だけ工夫すれば完璧
という結果でした。
正直、価格やサイズを考えると「気軽に使えるデスクライト」ではありません。
しかし、一度この光を体験してしまうと、もう普通のライトには戻れないほどの美しさがあります。
作業効率を上げたい人も、配信映えを狙いたい人も、Amaran 200x Sを導入することで、自分のデスクが“ちょっとしたスタジオ”に変わります。
まさに、「明かりを制する者が空間を制す」という言葉がぴったりの照明機材です。
